あまり注目されないけど、「選手・最大の功労者」は久保康友投手
(先ほど、DeNA4シーズンの最大の功労者は、高田繁GMだと書いた。では、選手最大の功労者は誰か・・・。)
ファンの間でのひいき選手は、どの球団でも生え抜きなのだと苦笑する。しかし、この2シーズン、FA久保康友投手がいなければどうなったのだろうと想像すると恐ろしくなる。
DeNA体制になり、2年連続一定程度チームに貢献した投手は、久保だけだ。よくぞ弱小球団DeNAに来てくれた。筆者がキャンプなどで選手と握手できるとなれば、真っ先に久保投手のもとに行く。そして、「ありがとう」と伝えたい。
彼は、しばしば変人とか哲学者と形容される。「独特の考え方を持っている」と篠原ピッチング・コーチが実況アナに答えたようだが、グラウンド外での振る舞いもやや奇異に映り、彼は十分に理解されていないのかも知れない。しかし、彼のマウンドでの姿を見るのは、筆者の楽しみの一つだ。
まず、意図のはっきりしないボールがない。コースやボールの曲がる角度に妥協がない。だから、打ち取っても不満そうな顔をしているのだと思われる。
ストライクゾーンに関しても妥協がない。しばしば見せる、「なんで今のがボールなの?」という怪訝そうな表情や、「審判と喧嘩してる」と評される、同じコースへの連投も、筆者は嫌ではない。意図しないボールで打たれたら、もやもやした気持ちが残るだろう。
投手陣の輪に溶け込めてないように見える選手にも、積極的に声をかけてくれているようだ。そういう気遣いが有り難い。チームにいる数少ない中堅・ベテランとして、厳しいペナントレースのなか、浮足立つ投手陣を落ち着かせてくれるだろう。