DeNA・ラミレス采配批判の半分は、進藤ヘッドに向けるべきだ
今日の対中日5回戦のベイスターズのスターティング・オーダーは、次のとおり。
9荒波4石川8乙坂7筒香3井手6倉本5飛雄馬2戸柱1久保ーーPジョーダン(左)
昨日までと大幅に変更。ちなみに、昨日は次のとおり。
8桑原4石川3井手7筒香9ロマック6倉本5柳田2戸柱1石田ーーP山井(右)
ここまで10試合ほど、1番で起用してきた桑原を外し、開幕当初2番に起用してきた荒波を1番ライトで起用。3番・センターに乙坂を起用した。
このスタメン変更の意図を、無理やり解釈すれば、以下のようになる。
①昨夜の右翼手・ロマックの打球処理のミスを重く見て、荒波に変更した。
②開幕当初からの課題である3番打者には長打力のある乙坂を試したい。
③自打球で出場できないロペスに代わり、一塁手には、右翼手専門の井手を引き続き置きたい。はじき出される形で外野手・桒原は控えにおく。
④三塁手柳田の守備は昨日も素晴らしかったが、柳田は「第三の捕手」・「ユーティリティ・プレイヤー」として控えさせたい。したがって、右の強打者・飛雄馬を使いたい。
この辺りとなる。ただし、ここ数試合、十分に機能してきた1・2番をこうもやすやすと変えてくるラミレス監督は、どのような打順構想を持っているのか、疑問が残る。そこで、改めて開幕当初までに彼が語っていた言葉を思い出して、はたと気づいた。「できれば、上位打線は打順を固定したい」というラミレスの構想は、ほぼ放棄され、対戦投手に合わせたベストの選手を毎試合日替わりで起用するというものである。
なぜこのように構想の転向があったのかは、テレビ越しに映し出される首脳陣の戦況の見つめ方で、ほぼ察しが付く。篠原投手コーチは、立って戦況を見つめている。光山バッテリー・コーチは、自軍が守備につく間のみ立ち、攻撃時は腰を掛け、お役御免といった具合。攻撃時に起立して戦況を見つめ、サインを出すのは、進藤ヘッド・コーチだ。
ラミレス監督は、進藤ヘッドと通訳を介し、会話をするシーンがたびたび見受けられる。ヘッドである進藤コーチは、戦況に応じてラミレス監督の意思をサインで送るだけの役割ではない。戦術の選択に関与するだけでなく、戦術に合わせた「打者の決定」にも関与している。
こうして考えると、当初ラミレス監督が「スタメンを固定したい」という采配は放棄され、進藤ヘッドがその主導権を現在持っていると考えるのが妥当だ。控えめに言っても、現在の采配そして戦術に失敗があるとすれば、その責任の半分は、進藤ヘッドに向けられるべきだ。
今日は、8-3で勝利したものの、場当たり的なポジション決定・スタメン決定からいち早く脱し、「スタメンの固定化」への道を進む責任が、参謀役の進藤氏にはある。