DeNA・当初の打順構想と混迷する現在
昨シーズンのDeNAの得点は508点、優勝のヤクルトが574点。得点力の低さを解消しようとラミレス監督は、打順の構想と選手に期待する点について、以下のように語ってきた。
・1、2番を固定したい。一つの方法として、梶谷を3番から2番にする。3番を誰にするかが解決できればいい方法である。
・得点力を上げるために、2番打者はキーパーソン。梶谷は首位打者を獲得できる能力がある。20本塁打、100得点を期待する。
・石川はリードオフマンとして期待する。ロペスは3、5番のどちらか。2番梶谷、4番筒香なら、1、3番はよりいいボールを選べるだろう。
・6番打者は、得点を生む状況を作る打者をおきたい。7番は自由に打たせたい。長打もある選手を起用したい。
その構想から、当初のプランは次の通りであった。
4石川8梶谷3ロペス7筒香5ロマック。以下は、遊撃倉本、右翼荒波、捕手高城。
しかし、梶谷が開幕を前に怪我。石川が間に合わず、三塁手ロマックが想定の水準になく、「5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック」の上位打線でスタートした。上位打線の2人を欠いており、開幕から打線が苦戦することは想定できた。
以下は、4月14日までの打順である。
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック6倉本 4柴田2戸柱 1井納 ージョンソン
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック6倉本 4柴田2戸柱 1久保康 ー黒田
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック6倉本 4柴田2戸柱 1石田 -福井
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック4宮崎 6柴田2戸柱 1今永 -ポレダ
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック6倉本 4柴田2戸柱 1モスコーソ -桜井
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック6倉本 4柴田2戸柱 1砂田 -菅野
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック4宮崎 2戸柱6柴田 1井納 -能見
5白崎8荒波3ロペス7筒香9ロマック4宮崎 2戸柱6倉本 1久保康 -岩貞
5山下8荒波3ロペス7筒香9松本 6倉本 4柴田2高城 1石田 -藤川
6柴田4柳田3ロペス7筒香8荒波 9ロマック5倉本2戸柱 1今永 -若松
8桑原5山下3ロペス7筒香9下園 4宮崎 6倉本2戸柱 1モスコーソ -小熊
5白崎8桑原3ロペス7筒香4柳田 9ロマック6倉本2戸柱 1砂田 -ジョーダン
5白崎4石川3ロペス7筒香9荒波 8桑原 2戸柱6倉本 1井納 -小川
8桑原4石川9井手 7筒香3ロペス 5白崎 6倉本2高城 1山口 -石川
8桑原4石川9井手 7筒香3ロペス 6倉本 5白崎2戸柱 1石田 -原樹
8桑原4石川9井手 7筒香3ロペス 6倉本 5白崎2戸柱 1久保康 -藤浪
4石川6柴田8荒波 7筒香3ロペス 9乙坂 5倉本2戸柱 1今永 -メッセ
開幕からロマックがまったく機能しなかった。そして、白崎、荒波の1、2番の出塁能力がなかった。この場合、5番打者よりもクリーンアップの前の1、2番が重要であり、その意味で、白崎の出来が残念であった。
ロペスをなぜ3番で起用したのかという問題は、3・5番を打てる打者がロペスしかおらず、通年の出場経験を持つ打者を3番におき、より攻撃的なオーダーを取りたかったためだろう。「リラックスしてほしい」という配慮で、5番に起用しはじめたが、「3番を打てる打者がいない」という現状でいたしかたないとの判断だろう。
サードとライトは、強打を求められるが、現状適任者がいない。苦心のなか、ライト井手を起用。そして、今日はファースト・ロペスを三塁に移してまで、一塁・白根起用という、「打撃重視」のオーダーをとった(4/16)。ここまで来ると、混迷しているという気がする。
しかし、明るい兆しもある。桑原が一定の成績を出し、二塁手・石川が復帰。1・2番を固定できそうだ。残りは、打てる三塁手と右翼手。「首脳陣の手腕が問われる」と書こうと思ったが、そりゃ無茶だ。「期待された選手が仕事してくれない」から混迷しているわけだ。