kounankunobachoのブログ

横浜生まれ、横浜育ちのBayStarsのファンです。大阪在住が長くなり、故郷とのつながりを唯一感じられるのがベイスターズ。選手、監督、スタッフの気持ちになったつもりで、応援しています。

ベイスターズの応援に「横浜市歌」が採用されるに際して

 大阪に長く住むと、その土地の言葉や考え方に戸惑うことがある。随分昔の話であるが、筆者が大阪に住み始めてひと月ばかりのこと。近くの立ち食いうどん屋で、油揚げの入ったうどんを注文した。「おばさん、きざみうどん下さい!」と元気よく一言。すると、「おばさん?あんた、家に帰ってお母ちゃんに言葉習ってき!」。こちらは、豆鉄砲を食らった鳩になった。



 何がいけなかったのだろうと頭を巡らしたが、「おっさん」が侮蔑を込めた言葉として流通することに思い当たった。どうも、「おっちゃん」「おばちゃん」と呼ばねばならないらしい。


 一方、出身が「横浜」であることは、とても好意的に受け取られる。「ええなあ、都会やん」、「行ったことある」、「親戚が住んどる」という具合である。大阪も都会だが、「都会」の定義が違うらしい。


 こちらでは神戸出身者は、「兵庫」出身とは言わない。このことに、何かお高くとまった印象を大阪人は受ける。本人らは、「西宮」や「明石」、「姫路」と区別したいだけなのであるが。


 「横浜」にも、そんなニュアンスがないかしらと考えて、「神奈川出身です」としばらく答えていたが、途中で止めてしまった。こちらの人には、「金沢」に聞こえるらしい。アクセントまで似ているのでまぎらわしい。


 関東の言葉は、必ずしも好意的に受け止められるわけではないが、受けがいい言葉に「知らねーよ」と「行くぜ」がある。ともに、不意に口をつく、決して品のいい言葉ではないが、「かっこいい」とか、「それ、好き」と何度か言われることがあった。


 こうした中、月日は流れ、筆者は地元への愛着が少しずつ芽生え、次第に郷愁まで感じるようになった。遠くに眺めた富士山やよく遊びに行った三浦、相模湾の景色を懐かしく思い起こすことが増えた。故郷を離れて住むことで初めて気付くことだった。


 昨日、ベイスターズの応援団が「横浜市歌」の一部をフォアボールの際に使用すると発表した。「されば港の数多かれど、この横浜に優るあらめや」の部分だそうだ。横浜市歌も、こうして離れて暮らすものには人一倍愛着を感じるものの一つだ。あまり多用することは控えるべきだが、横浜・神奈川の老若男女・幅広い層に、ベイスターズが浸透することを引き続き見守っていきたい。


×

非ログインユーザーとして返信する