kounankunobachoのブログ

横浜生まれ、横浜育ちのBayStarsのファンです。大阪在住が長くなり、故郷とのつながりを唯一感じられるのがベイスターズ。選手、監督、スタッフの気持ちになったつもりで、応援しています。

DeNA・ラミレス監督の采配傾向。その試論

 DeNAは、現在、草叢期から成長期を迎えようとしている。これまでの4年間は、いわば雑多な選手たちを、一つの方向に向かわせる期間であった。また新たな芽を伸ばし、チームの戦力とすることに力を注いだ時期でもあった。そして今、チームとして成長し、常に優勝を争える球団に生まれ変わろうとしている。ここからが、「常勝球団」DeNAとなるための飛躍の時期であり、その意味で2代目監督ラミレスの責任は大きい。


 開幕から6試合を終え、ようやくラミレス監督の采配の特徴が見えてきた。この点を整理することは、采配の好み・巧拙とは別に、有意義であると思われる。やや粗い分析であるが、その特徴をまとめてみたい。


①オープン戦を実戦のテストと位置づけ、そのテストの合格者をスタメンに起用する。


 キャンプでは、各選手の能力を把握し、戦術に関する確認と反復練習を行った。対外試合では、主に新戦力の能力を把握(例えば、柴田、戸柱、ロマックら。加えて飛雄馬・山下・関根ら)し、オープン戦では、主に守備力に関するテストを行っていた。

 ロマックと白崎(三塁手)、飛雄馬と山下、柴田(二塁手)、倉本と柴田(遊撃手)などである。

 興味深かったのは、上記のポジションの野手を日替わりで起用していたことである。すなわち、選手からすれば、2日に一度テストを受けていた形だ。こうして守備陣形、特にセンターラインの選手を選抜した。そこに特段の優遇は見られなかった。しいて探せば、遊撃手は野手の意思確認の要となるポジションであるので、新人でなく倉本を起用したことくらいである。

 

②短期的な成績の良しあしで、先発野手およびその打順をかえない。

 

 ラミレスは、それぞれの選手が務める役割、それぞれの選手に求める役割が曖昧になることを好まない。たとえば、守備の要であるセンターライン(遊撃・捕手)には、打撃力を求めず、ディフェンス面でチームに貢献することを、優先順位の第一に望んでいる。したがって、彼らの短期的な打撃成績の良しあしによって、打順を変えることを好まない。新人である戸柱・柴田は楽な打順である下位を担ってもらう意思をもっている。


 その逆に、センターラインを外れる野手は、打撃での貢献を強く望む。すなわち、三塁手、一塁手、左翼手、右翼手である。彼らが上位打線を構成する。上記と同様に、彼らの好不調で打順を変え、求める役割を変更することを良しとしない。


【短評】

 しばしば、ロマンがある、将来性のあるという理由で、ある選手が選抜起用されることもあるが、ラミレスにそれはない。守備面・ディフェンス面での破たんが絶対に起きないよう、ポジションを決め、打撃は二の次である。

 そして、いったん決めたポジションを変えることは、守備の破たんを生み、ゲームにならないので、行わない。野手に余計な神経・エネルギーを使わせないためである。


 これらの効果は、どこにあるだろうか。

 第一に、新人やセンターラインの野手は、守備に専念すればよく、大きな精神的負担を背負うことがないため、もてる力を発揮しやすい。遊撃の柴田、倉本、二塁手の山下、柴田、捕手の戸柱、高城が該当する。


 第二に、上位打線すなわち1~5番打者は、「自分が打たなければ負ける」という意識を持たせることができる。選手の好不調、たとえば1番白崎を不調だから下位打線に置くというのであれば、「他の選手が打てばいい」という考えにもなるし、起用への不信感も生まれるかもしれない。そうではなく、「負けたら上位打線の責任」とはっきりさせている。

 もちろん、下位打線を使い、作戦をつかって得点は狙うが、上位打線が試合を作らないとどうしても接戦になってしまう。


 一方、デメリットもある。それは、上位打線に長く不調の選手がいた場合、得点力が大きく下がるという点だ。そうした不調の選手を、どこまで上位打線で起用するかの判断は、難しい。この点は、専門家の技術的見地で判断すればよいことで、観戦者は調子を取り戻す可能性があるから起用してると考えておけば良いことなのだろう。


【まとめ】

 ラミレスの戦い方の特徴は、「最小の戦力で、最大の勝利を得る」というやり方である。ひとまずは、可能な限りのディフェンス力を用意し、投手の自責点を下げる。そして、限られた数人の打力ある選手に得点を期待し、勝利をえる。それでも勝利を手繰り寄せられない場合は、下位打線と代打・代走などで希少点を狙いに行く。


 以上、ラミレス監督の采配傾向の特徴分析を試みた。他の点もあるが、改めて論じたい。




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