正三塁手・白崎浩之選手を首脳陣はどうするか
正三塁手・白崎浩之選手の不振が続いている。16試合を消化して、先発を外れた試合が2試合。これまで、キャンプ・オープン戦から期待されて先発起用されてきた。現状、打率.160。出塁率でみても.208。規定打席にのったベイスターズ野手において、最低の数字だ。
「長打を打てる打者を1番打者におきたい」とのラミレス構想により、開幕から10試合、先頭打者として起用されたが、ここ数試合、センター桑原にその座を譲っている。打席数が少ないながらも、二塁打の数で桑原の後塵を拝しているのだから当然だ。
9月まで続く長丁場のシーズン、DeNAは、三塁手白崎をどう扱うべきだろうか。まずは、これまでの打席から筆者の印象をまとめたい。横の角度からフォーム動画を見ることができないので、打撃フォームの特徴は取り扱えない。印象は、次の通りだ。
・昨年度と比較して、ゆるい縦に落ちる変化球のボール・コンタクトが向上した。
・昨年に続き、高めをうまくさばける。しかし、高め速球は前に飛ばない。
・2ボールでの打撃成績がよい。初球がボールの場合、特によい。
以上のことから、次のことが推定される。すなわち、投手がストライクゾーンに投げざるを得ないカウントで、打撃成績がよい。ただし、ファーストストライクから積極的に振りにくる打者であるため、投手有利のカウントでボールを待つことが、どうしても多くなる。また、選球眼が良くないため、不利なカウントでボール気味の球を投げられ凡退している。
このような特徴をもつ白崎選手は、打席に入る際に相手投手をよく研究し、球種を絞るか、ゾーンを絞るかを、カウントごとに考えて打席に入る必要があるだろう。ストレートを待ちながら、変化球をコンスタントに打てるという水準までには到達してないとみられる。
ただ、それ以上に筆者が問題を感じる機会が先日あった。「(今の不振を脱するためには)打席で漠然とボールを待っていてはいけないと思ってます」と、本人の談話を実況が伝えた時だった。
思い返せば2013年、彼の入団1年目だ。三振して戻ってくる白崎選手に対し、小池打撃コーチ(当時)が、「今の打席、どんな考えで、入っていたの?」と毎度聞いていたらしい。しかし、あまり明確な答えが返ってくることはなく、「なんとなく」と答えるばかりで、コーチは困惑していた。あれから3年、白崎選手のバッターズボックスでの心構えに進歩はあったのだろうか。あったと信じるが、なかなか伝わってこない。
現状では、三塁手として白崎選手がピカイチの輝きを放っている。勝っているときは、大きな問題はないが、なにぶん打撃面で貢献を求められるポジションであり、負けが込むと、多少守備を犠牲にしても、彼よりも打撃でチームに貢献できる選手をスタメンで起用せざるをえない。
どこでそれを判断するか。首脳陣を悩ます問題である。
そして、悩ませるな。期待してるぜ、白崎浩之選手!