kounankunobachoのブログ

横浜生まれ、横浜育ちのBayStarsのファンです。大阪在住が長くなり、故郷とのつながりを唯一感じられるのがベイスターズ。選手、監督、スタッフの気持ちになったつもりで、応援しています。

DeNA・中堅投手の現状をどうみるか


 この4年DeNAの試合をみていて、 つねに歯がゆく感じる中堅投手がいる。高崎投手である。彼はベイスターズ・ファンの間では、人気が高い。しかし、今一度彼の実力を考えてみる必要がある。


 彼について触れた野口寿浩元捕手の記事が強く印象に残っている。以下、そのインタビュー記事を抜粋する。


【先発陣は“全員が期待外れ“、ピカ一素材の山口&高崎は「考え方が甘すぎる」】


 そして、投手陣の課題は先発にもあった。
「期待外れは全員でしょう。三浦大輔を除いて。久保、三嶋、山口俊、井納、高崎、モスコーソも……みんな期待外れ」

 昨季は久保が12勝(6敗)、井納が11勝(9敗)、モスコーソが9勝(9敗)。シーズン途中で先発に転向した山口が8勝(5敗)と、4本の柱が確立したかに見えた。しかし、今季は久保の8勝(7敗)が最多、それに次ぐのが41歳の三浦の6勝(6敗)だった。手厳しい言葉を並べざるを得ない状況だ。そんな中、野口氏が特に奮起を促す元チームメートの2投手がいる。

「山口俊や高崎は素材だけみたらピカ一。しかし、はっきり言わせてもらうと、考え方が甘すぎる。あの2人は本当にやってもらわなきゃ困る選手なので。本当に厳しく言いますが、頭の中から全てひっくり返さないと絶対に良くならない。断言します」

 2012年には史上最年少で100セーブを挙げた山口、同じ年に開幕投手を務めた高崎にゲキを飛ばした。

「『俺はできるんだ』という前提の元で考えているんです。『そんなんじゃないよ。できない方なんだからね。そこから考えていかないと、上手くならないよ』と。どうも勘違いをしているように思えてしょうがないんです。『俺はすごいピッチャーなんだ』と」

 野口氏がDeNAに在籍した2年間でバッテリーを組むこともあった両投手だけに、言葉には力が入る。

「山口俊は私が横浜に移籍したときは石井裕也(日本ハム)につなぐセットアッパーとして投げていました。高崎もその前を中継ぎとして投げているピッチャーでした。あの頃はただがむしゃらに腕を振っていただけだったはずなんです。『自分を高めよう』『チームのためになんとか頑張ろう』。それ以外思っていなかったはずなんです。その頃の気持ちを思い出してやりなさい、と。

 周り、他のチームがどんどん上がってきているのに、『自分はできる』と思っているから停滞するんです。例えば、目先を変えるためにシュートを投げてみたりだとかね。(自分がバッテリーを組んでいた時は)シュートを投げたらストライクが入らなくなるので、シュートをやめさせたらよくなったんです。でも、先発に戻ったらまたシュートを投げるんです。それは、その場その場を抑えようとしているから。それは向上心じゃない。その場しのぎと言うんです。だから周りと差がついてくる」

 素材は一級品ながら伸び悩む2投手の”甘さ“を野口氏は厳しく指摘した。

 上位進出へ、DeNAは先発陣の強化が不可欠だ。今季もシーズン中盤から砂田毅樹、石田健大ら若手投手の台頭はあった。しかし、なぜそうなったかと考えると、当初はローテーションを守る予定だった投手たちが次々と期待を裏切ったことも間接的な要因として挙げられる。

「考え方が甘いんです」ーー。

 道半ばで終わった優勝へ、今季は結果を残せなかった選手たちの奮起に期待がかかる。(抜粋、了)


 高崎投手がなぜ素材がピカイチといえるのか、筆者には十分に分からない。本人いわく、「低めにコントロールできた」ときには、確かに試合をつくるが、それ以上にホームランをよく打たれ、試合を壊す。これを、かれこれ4年間、見せられてきた。だから、野口氏が、「考え方が甘すぎる」と言ってくれたことで、何かすっきりした心持がした。きっと考え方が甘いのである。


 野村克也元監督は、伸び悩む選手を前に、「『進歩』って何だ?」と聞き、「変わることだろう?」と問いかけた。高崎投手は、「できる」投手ではなく、「でき」ない投手だ。だから根本から変わらなければならない。別の投手になるくらいの覚悟をもって来季にのぞむ必要がある。何をすれば、どう変わればいいのかは、もはや自分で考えて探すしかないだろう。童顔ではあるが、もう30歳を過ぎている。
 彼のようなエース候補と目されてきた投手は、これまで、なんとか戦力外を逃れてきたが、この1、2年に引退をせまられると筆者はみている。球団は引退試合を用意すると思うが、そんなことを考えさせない、覚悟ある闘志を見せてほしい。


DeNA、最終戦セレモニーのもつ意味を考える

 2014シーズン、甲子園での阪神の最終戦を現地観戦した。DeNAは山口が先発、阪神はメッセンジャーであった。試合は、得点のないまま終盤へ。横浜は、山崎(憲)の押し出しデッドボールの1点で勝利した。山口が好投した。


 甲子園最終戦、試合後にセレモニーがあると、われわれは警備員から聞かされていた。試合後フェンス際まで来ないで、席についているよう指示があった。そしてセレモニーは始まった。


 阪神の選手、監督・コーチが、1塁側に向かってならび、場内アナウンスにしたがって、一礼した。1塁側スタンドからは、拍手がまばらに飛んだ。
 
 「以上をもちまして、阪神タイガース、最終戦セレモニーを終わります。1年間、熱いご声援をありがとうございます」


 私の後ろから、「えっ? もう終わり?」との声。本当だ、なんだ、このセレモニーはーー。


 和田監督の挨拶もない。今年一年を振り返る、VTR映像もない。花火もない。
 何にも、ないじゃないか!


 驚いた。
 同時に、テレビ越しに毎年見てきた、横浜スタジアムの最終戦セレモニーが、どれだけ素晴らしいものかを思い知った。監督の新年の書初めに始まり、ダグアウトの向こうとグラウンドでの選手の奮闘、ファンの歓声。ひどいプレーと怒号。すべてを映すことで、ファンと選手がシーズンを振り返り、来季もあらためて「頑張る」、そう決意を固める、そんなセレモニーだ。


 あの映像をみると、選手もファンも、それまでのシーズンの出来事が走馬灯のようによみがえるーーー。


 これは映画なのだ。そして、今度は第2話をみたい。そうやって観客を来季、スタジアムへといざなうのだ。


 DeNAベイスターズが今、進もうとしている道には明るい灯がともされている。球団がおこなうセレモニーの違いが、そのことを教えてくれる。




ラミレス監督の打順構想の真意とは

 スポニチが昨年11月にいち早く、来季DeNAの打線についてのラミレス監督の構想を聞き出している。それは二番、梶谷という構想。しかし、ラミレスの思想という点では、もっと重要な点が、この記事には隠されている。以下は、その記事の抜粋。


――打線ではリーグ優勝したヤクルトがリーグトップの574得点に対し、DeNAは508点。この差は1、2番を固定できなかったことが要因に思える。

 「その通り。一つの方法として梶谷を3番から2番に固定する考えがある。3番を誰にするかという問題が解決できればいい方法かなと思う」

 ――ヤクルトは首位打者の川端を2番に置いて成功した。


 「得点力を上げるためにも、2番は打線のキーパーソンになる。安打を量産できるタイプの打者がいい。梶谷は首位打者を獲得できる能力がある。20本塁打、100得点も十分にできる」


 ――石川や主軸のロペスに求める役割は。


 「石川はリードオフマンとして期待している。梶谷が2番にいれば(投手が勝負してきて)いいボールを待てるからやりやすいと思う。ロペスは3、5番のどちらかに置くのか難しいが、3番にいれば後ろに筒香がいる。ロペスもよりいいボールを選べる。いろいろ考えて打線を組みたい」


 ここで2か所、打線に関するラミレス監督の考え方が示されている。それは、2番と4番に嫌な打者ががいるため、1番、3番は「いいボールを選べる」という点だ。
 当たっている打者、当たればホームランとなる打者の前の打者は、何とかアウトを取りたい、また塁に出して、大量失点するのを避けたいために、勝負をせざるをえない。分かりやすい例でいえば、ソフトバンクの4番内川だ。イデホが5番にいるために、敬遠はない。そうすると巧打者内川と勝負だ。相手ピッチャーは辛かったはず。


 打順を点にならないよう、線として機能させるための工夫がみられる。評価できる。梶谷2番構想より、むしろ、この点に注目してみてみるほうがはるかに有益だ。